~私の歯 キレイでしょ~ そんな女性のキャンパスライフ


by campus-life

Page 177~GoodBye Campus Life

大学では、この時期 春休みである。しかし、卒業した学生
そして、新たに入学してくる学生の受け入れ準備も進んでいたのであった。

大学職員として働いていた、まどかは歯科検診のデータ整理をしていたのであった。
統計化されたデータを見ていると、入学してから卒業するまでの状態が
とてもリアルだわ。 治療を受けていない天然歯の本数が減少し、
人工歯の本数は、あっという間に増えている。
この春、卒業した学生のデータを見ながら、まどかは驚いていたのであった。
そしてまた、入学前の歯科検診を受けたばかりの新入学生のデータを見ると
さすがにキレイなものね。

人工歯も少なく、虫歯が殆どないような学生も結構いるわ。
4年後には、多くの人工歯がいれられてしまうのかしら?
まどかは、ふとそんな事を考えながら、新入学生のデータ整理を
始めていたのである。

そして、ふと舌で自分の前歯に触れてみると、裏側の金属部分が
ヌルヌルとした感触を感じていた。 そういえば、私もこの大学の職員に
なった時は、奥歯に数本の虫歯の治療跡があった程度だったわ。
それから、数年間、どれくらいの治療を受けたのかしら?

次々と虫歯になっては、治療を行いまた他の歯の治療・・・
そんな事を繰り返していたまどかの口元には、多くの人工歯が入れられていたのである。
前歯は昨年末に入れたばかりの大きなブリッジが輝いているわ。
整然と並んでいる真っ白い人工歯は確かにとても美しく見える。
でも、神経も抜かれ、土台だけになってしまった歯に金属の心棒を入れている歯が
支台歯になり、すでに抜歯をしてしまった歯を支えているのである。

最初は結構違和感があったけれど、慣れてしまうと普通に
使えてしまうわ。 それに鏡を見ると美しく揃っている前歯が
口元を華やかに見せているような感じがしていたのであった。

データを見ると、卒業していった学生の中には、取り外しの出来る
義歯を入れている子もいるわ。 まだ私なんていいのかもしれないのね。
自分の前歯に手を触れてみたまどかは、ふと近くの歯科医院も
年間どれくらいの差し歯を新しく入れているのかしら?
自分が治療した時の様子を思い浮かべながらそう思っていたのである。
根だけが残され、金属の心棒の上から、真新しい人工歯を
ギュッと装着させられたときの感触・・・
人工歯を入れている人にしか分からないことね・・・

そんな事を考えながら、静かなキャンパスで仕事をしていたまどかであった。




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# by campus-life | 2008-03-18 06:45

Page 176~Graduation

智子は、朝起きると歯を磨いていた。
今日は特別な日だわ。そう思いながら、いつもよりも
時間をかけて丁寧に磨いていたのであった。

今日は大学の卒業式、4年前入学した大学を卒業し、
来月からは、就職も決まりOLになる智子は、4年間の
キャンパスライフを少し懐かしくも思っていたのである。
たくさんの思い出や友人は、智子にとっても大切に
思えていた。そんな智子は、ひとつだけ失った大切なものがあった。

出来ることなら守りたかったわ。歯を磨き終えた智子は、
洗浄剤を洗い流した部分義歯を見つめながらそう思っていたのである。
入学したときには、数本の歯の虫歯治療をしてあるような状態であった。
しかし、大学生になってから、あっという間にクラウンや差し歯が増えていった。
そして、治療を繰り返していた智子の歯は、いつの間にか1本2本と
抜歯され、ブリッジに置き換わっていたのである。

そして去年、今まで使っていたブリッジの土台の歯が次々と痛み出し、
上顎には、部分入れ歯を入れる治療を行っていたのであった。
大きな口を開けると、そっと部分義歯を入れ、歯列にあわせて
装着する。裏側からバネで支えるよう作られている義歯は、
装着するとぴったりと吸着しているわ。真っ白い失った歯列部分には、
真っ白い人工歯が入れられている状態である。
着替えると自宅を後にして会場へ智子は向かっていたのである。

少し早めに会場へ到着した智子は、友人を探す、
広い会場で数人の友人を見つけると、後から集まってくるわ。
授業が終わってから久しぶりに会う友人とも話しながら、
会場内へ入ってゆく。 一緒にいる友人の口元にもまた、
真っ白い人工歯が並んでいるわ。 大きく笑うと奥歯に金属歯が
入れられている友人もいるわ。 みんな在学中に歯が次々と駄目になり、
大きなブリッジが入れられているか、すでに部分義歯を入れているか
そんな感じなのね。 見た目には真っ白い歯に見える口元も、
義歯特有の違和感は、入れている本人が一番よく分かるわ。

智子は残されている天然歯もすでにクラウンが被せられ根だけが
残されている状態であった。 これ以上の欠損は何とかしたいと
智子は思っていたものの、いずれはだんだん失っていくんだわ。
今までそうだったように、これから社会人になっても、根だけになっている
天然歯を完全に守ることは難しいわ。 少しでも延命できるといいんだけど、
ふとそう思いつつ、友人と一緒に着席していたのである。
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# by campus-life | 2008-03-05 01:21

Page 175~Yukie's NewTeeth

寒さが続く中、幸恵は後期の授業も終わり何となく、ホッとした
日々を過ごしていたのであった。 そんな幸恵がいつもと違う
所といえば、治療中の歯であった。
現在、仮歯が入れられている前歯から小臼歯までは、人工の
仮歯が連結されている状態であり、今まで差し歯は入れていた
幸恵も、かなりの違和感を感じていたのであった。

そういえば、この仮歯も数週間つけているのよね。
天然歯とも、今まで入れられていた差し歯とも違う感じに
違和感を覚えていた幸恵であった。
ちゃんとした歯が入れば直るのかしら? 何しろ4本の
前歯を抜歯してしまった幸恵は、これから一生 土台の歯が
駄目になるまで、ブリッジを使い続けなければならないのである。
しっかりと機能する歯でなければ、生活や授業にも支障が出るわ。
キレイな天然歯の人だったら、こんな違和感や感触は、分からないはずだわ。
ようするに、歯を悪くしてしまった人にしか、分からない苦労なのね。
ふと、そんな事を考えながら歯を磨いていた幸恵であった。

歯を磨き終えると、口元を鏡で見ていた幸恵は、前歯に入れられている
大きな仮歯を見ながら、歯を悪くしちゃったんだなぁ~と改めて
思っていたのであった。 出かける支度をしていた幸恵は、
この時期にしては、比較的暖かい日差しの中、出かけていたのである。
歯科医院での治療の日であった。 やっと新しいブリッジが
入るんだわ。 そう思いながら、歯科医院のドアを開けた幸恵は、
待合室へ入ってゆく。

そして、暫くしてから、診療室へ呼ばれ入っていった。
診療台へ座りエプロンをかけてもらうと、衛生士の女性が、
石膏の歯型をテーブルの上に置いていた。
模型には新しい歯が装着されていたのであった。

先生は、幸恵の口元の検診を始めていた。 それでは、仮歯を
外しますね。そう言いながら器具を口元へ入れると、少しずつ
仮歯を浮かせてゆく。 ある程度浮かせるとそのまま大きな仮歯の
ブリッジは幸恵の口元から取り外されていたのである。
先生は、ブリッジの支台歯をキレイに磨いてゆく。
新しい人工歯を、模型から取り外すとキレイに磨き上げてゆく。

そして、口元へ入れると試着を行っていたのであった。
今までとはまた違う違和感を感じるわ。 幸恵はそう思いながら、
新しいブリッジを試着した状態で、かみ合わせの調整を行っていたのであった。
そして、かみ合わせの調整を終えるとしっかりと固定されてゆく。
先生は、治療を終えると幸恵に鏡を渡していたのであった。
幸恵は、鏡に映っている新しい歯を見つめながら、やっぱり仮歯と違って
自然なのね。 新しい真っ白い人工歯を見つめながらそう感じていたのである。
歯の裏側は金属だわ。舌で触ってもヌルヌルしたような独特の感触だし
でも、美しくも見え、しっかりとしているブリッジに、違和感はあるものの
何となくホッとしながら、診療室を後にしていた幸恵であった。
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# by campus-life | 2008-02-13 06:54

Page 174~Yukie's front Care

幸恵は、久しぶりに歯科医院へ来ていたのである。
ブリッジの土台が入り、仮歯を入れてからは、暫くの間、
抜歯部分の歯茎の状態が落ち着くまで、仮歯での生活に
なっていたのである。

診療室へ呼ばれると、診療台へ座り、いつものように
衛生士の女性がエプロンをかけてくれる。
幸恵の前歯は小臼歯まで連結されているブリッジの仮歯である。
痛みもなく、連結されている人工歯は、思っていたよりも
しっかりとしているわ。 ただ仮歯だからかしら?
見た目は、何となく人工歯だって主張しているような
感じであった。

先生がやってくると、カルテを見てから検診を始めていたのである。
ブリッジの部分のかみ合わせや歯茎の状態を調べると、
器具を口元へ入れると、少しずつブリッジを浮かせ始めていたのである。
両側の土台の歯の部分から少しずつ歯茎との間に隙間が
開けられると、ブリッジの仮歯をそっと外してゆく。
隙間が大きくなると、ブリッジを外し口元から取り出していたのである。
先生は、入れられている金属コアの部分を丁寧に磨き上げてゆく。
幸恵は、前歯が無くなると、まるで自分のヌードを見られているような
恥ずかしさを感じていたのであった。

先生は、印象材を用意すると、トレーを口の中へ入れるとしっかりと
上あごに固定してゆく。
しばらく噛んでいるように言われると、幸恵も印象を取っているのね。
大きな金属製のトレーへ印象材がつけられている状態である。
そのまま数分間噛み締めていると、口元のトレーを先生が確認する。
そしてギュッと押し付けられていたトレーの間に、エアーを入れて
少しずつ外してゆく。
先生は、もうひとつのトレーを用意すると、下顎へ押し付けるとそのまま
にしているよう言われていたのである。

下の歯の印象も取るのね。そう思っている幸恵に先生は、
かみ合わせを調べて前歯を作るために下の歯の印象も取っています。
そう説明していたのであった。
数分後、トレーを取り外すと歯や土台に付着している印象材を
キレイに磨き上げて汚れを落としていたのであった。
その後、再び仮歯を固定すると、今日の治療は終わりました。
これから、ブリッジのブラッシング指導をしますね。
そう説明すると、先生は歯科衛生士の女性へバトンタッチしていたのである。
衛生士の女性は、歯列模型を持ってくると、ブラシでブリッジの
ブラッシング指導を始めていたのであった。連結されているブリッジの場合、
歯と歯は連結され、フロスは使えない。しかし歯と歯の間は、歯の付け根の
部分だけは、隙間がある状態であり、歯間ブラシを使って汚れを落としてゆく。
そして、人工歯の部分は、歯と歯茎の間を集中的にブラッシングを行うように
模型で説明を行うと、鏡で見せながら、幸恵の前歯を実際にブラッシングを
していたのである。

人工歯は虫歯にはならないわ。でも根元のわずかな隙間から、
内側の根の部分が虫歯にやられることが多いらしい。
今回の幸恵の場合も、根の部分の虫歯で歯を失っていることもあり、
今まで以上の歯のケアが必要だと言われていたのであった。
幸恵は、そう話していた衛生士の前歯が気になっていたのである。
見た目はやはり差し歯だわ。 説明を終えていた衛生士の女性に、
前歯がキレイですね。と話していた。

一瞬エッ?と言った衛生士の女性は、ニコッと笑いながら、
実は私の前歯もブリッジなんですよぉ~ と気軽に話していた。
差し歯じゃなくてブリッジなの?幸恵は一瞬驚いていたものの、
そういわれると何となくれんけつされているようにも、見えるわ。
それにしても、真っ白い美しい歯に気をとられると意外と
気がつかないものね。
ふと、そんな事を考えていたのである。
幸恵さんの場合、8本の歯が連結されてますから、
かなり気をつけないと、虫歯の再発を防げないので、気をつけてくださいね。
それから、多くの歯の神経を抜いていることもあり、歯は感覚を
感じることがかなり鈍くなっています。 誤って硬いものを
噛まないようにしたほうがいいですよ。
神経の生きている天然歯ってかなり、敏感なので硬い物を噛んだ時も、
すぐに分かりますけど、神経がない歯ってそういう感覚を感じることが
できないので、誤って硬い物を噛んでしまって、バキッと
歯を折ってしまうようなこともありますからね。

そう言われ、そんなことも違うのね。 確かに、食事をしていても、
今まで以上に、歯での感覚が鈍くなっていることは感じるわ。
ちゃんと噛めるのに、感覚は感じにくい。やっぱり神経を抜いた歯が
多いからなのね。改めて天然歯と大きく違う人工歯が、
幸恵の口元にも増えてきたことを感じていたのであった。
そして、幸恵は、診療室を後にしていたのである。
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# by campus-life | 2008-02-11 01:25

Page 173~Yukie's Temporary

幸恵は、すべての支台歯の整形が終わり、抜歯跡が落ち着くまでの間、
前歯から奥歯に大きなブリッジの仮歯を入れていたのである。
元々、先生からは、大きなブリッジの仮歯でもあり、前歯ではあまり噛まないで
下さい。そう言われていたこともあって、幸恵も意識して、食事でも
出来る限り前歯は使わないようにしていたのであった。

見た目にも、仮歯でありながらも真っ白い美しい歯なんだわ。
それでも、多くの歯が連結され、しかも前歯4本分は、ブリッジのダミーに
なっていることもあり、安定感が感じられないわ。
動いてはいないようだけど、何となくグラッとするような感じもあり、
連結されている歯への違和感もあるわ。
やはり、今までの前歯の差し歯と同じようには使えないのかしら?
ふとそんな不安が幸恵を襲っていたのであった。

そしてまた、大きく削られた支台歯だって、相当弱くなっているのよね
改めて、大きなブリッジでの治療法は、とてもリスクや犠牲を伴って
いることに気がついていたのである。
そんな幸恵は同じ大学の講師をしている先生と一緒にキャンパスを
後にして歩いていたのである。
私もブリッジになっているのよ。幸恵は言われなくても、前歯に
大きな人工歯がキレイに並べられている口元を見ながらそう思っていた。
話を聞いていると、中央の中切歯2本を抜歯して、犬歯から犬歯までの
6本が連結されているらしい・・・

やっぱり差し歯にしちゃった歯は駄目だわ。
そういいながら笑っていた女性講師の口元に、金色の歯が光っている。
あれっ第二小臼歯あたりかしら、ちょっと口をあけるとちらっと見えるような
位置に、金歯が入れられているわ。
幸恵が、金歯入れてるの?そう聞くと、大学時代に奥歯が虫歯に
なっちゃって、その時の先生が、これが一番いいって言われて
金歯にしちゃったのよ。でもかなり目立つのよね。
確かに口元から見えると、キラキラと輝く金歯は、真っ白い前歯とは
対照的に、目だって見える。
でも、考え方を変えれば、そろそろ私たちの年代って虫歯が悪化して
あちこち、治療されていても不思議じゃない年代だわ。
そう考えれば当然、金歯の2~3本あっても不思議じゃないのかもしれない。
ふと、そんな事を思っていた幸恵は、彼女の口元を見ていたのであった。
でも、大学の時から、そのままということは、それなりに持っているんだわ。
虫歯で治療をした歯の耐久性は重要である。
何しろ、すでに大きく削られ人工歯のお世話になるような歯は、
健康な歯と違い、すでに大きなハンデを背負っているんだわ。
いかに、これ以上悪くしないよう、現状維持できるかが、
これからの歯の状態を決めることも分かっていたのであった。

幸恵は、前歯4本が抜歯され、根も残っていない状態である。
とりあえず、真っ白い仮歯が入れられているものの、
ぎこちない違和感が余計に、幸恵を不安にしていたのであった。
同じ年齢の人でも、健康な前歯のままの女性も少なくないわ。
そんな人たちと、私ではすでに大きなハンデがついているのよ。
確かに見た目だけは、ある意味天然歯よりも、キレイに見えるような
事もあるけど、所詮は作り物の人工歯・・・

そんな思いが幸恵を不安にしていたのであった。
そして、改めて歯の裏側を舌で触れながら、寒空の中を
二人で歩いていたのである。
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# by campus-life | 2008-02-09 00:04